あらすじ

明朝初期、太祖・朱元璋（しゅげんしょう）は北元討伐のために幾度も北征軍を派遣。後に永楽帝となる四皇子・朱棣（しゅてい）は、都で気ままに暮らしつつも漠北の地に想いをはせていた。北征軍の大敗を知らされた朱元璋は、戦に長け旧知の間柄である徐達（じょたつ）の派遣を決意、勝利の暁には徐達の娘・徐妙雲（じょみょううん）と朱棣の結婚を提案する。腕白な朱棣と愛娘の縁談に憤る徐達、しかし徐妙雲は泰然と現実を受け止めるのだった。ある日、皇宮から姿をくらまし北征軍の幕営に姿を現した朱棣は、一兵卒として徐達と共に辺境防備に身を投じたいと願い出る。皇子の気まぐれと踏んだ徐達は、身分を偽って従軍した朱棣に罰を言い渡し帰京を促す。しかし、従軍の決意を覆さず甘んじて罰を受ける朱棣に、徐達は朱棣の従軍と娘との結婚を認める。帰京し、夫婦となった朱棣は、徐妙雲の聡明さに支えられながら、皇子の中でも兄である皇太子・朱標に次ぐ強力な存在となってく。そんな中、朱標が早世。絶対的な後継者である皇太子を失った宮廷は、その地位を巡って、長子継承を重んじる者と、圧倒的な才知と権力を持つ朱棣を推挙する者との間で少しずつ権力のバランスが崩れていく。