あらすじ

養護施設で育ち裏社会で生きてきたキ･ホテ（ソン･イルグク）は、一度食べた料理の味は絶対忘れないという特殊な能力を持っていた。彼は偶然テレビで見た素朴な韓国料理店「天地人」の光景を目にし、幼い頃の記憶がよみがえる。その記憶に導かれるように店を訪ねるが、そこは以前、彼が料理に難癖をつけたイタリア料理店のシェフ、イ･カンサン（パク･ジニ）の実家だった。ホテはその店の主人でカンサンの父ギチャン（カン･シニル）に過去のことを聞こうとするが、ギチャンは置き手紙を残し姿を消した後だった…。
ひょんなことからその店の料理人として働くことになったホテ。やる気と味に自信はあるものの、料理の基礎を全く知らず、終始カンサンとぶつかるばかり。しかし口うるさいカンサンや「天地人」にやってくるワケありの人々と過ごしていくうちにホテの閉ざされた心は次第に開かれていく…。

あらすじ

第1話～12話

第１話　ヤクザ、厨房で働く
幼い頃両親に捨てられ、ヤクザの世界で泥水をすすって生きてきたキ･ホテ。ある日偶然テレビで見た韓国食堂「天地人」の風景に、忘れていた記憶がよみがえる。自分がかつてその家で暮らしていたことを思い出したのだ。ひょんなことからその店の娘カンサンと知り合ったホテは、兄貴分の命令に逆らって借金苦の実業家を救ったために組織から追われるハメに。身の置き所に窮したホテは、自分の出生の秘密を探るために天地人で働くことを決意する。

第2話　カンサンの決意
調理師免許がないことを隠して仕事を始めたホテ。料理の基本を知らずに調理師失格を言い渡されるが、過去を正直に告白して下働きとして採用されることに。韓国料理タウンの建設を目指す食品会社ハンドルフードコリアの申し出を受け入れ、一度は店を売ろうと決めたカンサン。だが勤務先のシェフの心ないひと言に韓国料理のすばらしさと両親の料理に対する情熱を再認識、レストランを辞めて破産寸前の天地人を立て直そうと心に決める。

第3話　新しい家族
ウンビの家を訪ねたカンサンたちは、母親に捨てられたウンビが栄養失調で倒れているのを発見する。ウジュはウンビを引き取って一緒に暮らしたいと考えるが、担任の女教師はこれに反対する。ウンビを施設に行かせまいと、ウジュとカンサンはあの手この手で担任の説得を図るが… 一方、調理師の資格を持つ若者オ･ヘジュンが天地人を訪れ、さっそくホテとケンカに。住み込みで働くというヘジュンの真意を測りかねながらも、カンサンは彼を採用する。

第4話　金属タワシ事件
カンサンたちの真心が担任教師に通じ、ウンビは当分の間天地人で暮らすことになる。ハンドルフード社の会長から呼び出しを受けたカンサンとホテは、改めて土地の売却を拒絶して会長と対立関係に。何とかして経営を立て直したいカンサンは、父親が送ってきたワカメでイタリア料理に合うキムチを売り込むことをもくろむ。だがそんな中、キムチに金属タワシのクズが混ざっていたと女性客が騒ぎ出し、天地人には新たな火種がくすぶりはじめる。

第5話　スターと隠し子
金属タワシ事件が人気ブログに掲載されたため天地人には予約取り消しの電話が殺到。さらにイタリア料理店へのキムチ納品も破談になり、カンサンは窮地に陥る。そんな時、韓流スターのチャ･ヨンビンが愛人のジヨンと隠し子のテユンを連れてお忍びで天地人を訪れる。一方、金属タワシ事件の真相に迫ったホテはハンドルフード社の社長夫妻を待ち伏せして直談判を試みるが、ホテを追ってきた社長の秘書を見て、記憶の底にしまっていたおぞましい過去がよみがえる。

第6話　１枚の絵
翌日、再び天地人を訪れて秘密厳守を求めたチャ･ヨンビンにホテは怒りを爆発させ、殴ってしまう。その後、チャ･ヨンビンのお忍びデートが新聞に報道されて天地人は大騒ぎに。そんなある日、倉庫にあるガラクタの山から１枚の絵を発見したホテ。それは紛れもなく、遠い昔にホテ自身が描いた天地人とその家族の絵だった。改めて自分とカンサンが兄弟ではないかと疑うホテだが、ジヨンが倒れて流産したとの知らせを受けて病院に駆けつける。

第7話　混迷する父親捜し
告発者のブログに謝罪文が掲載されて金属タワシ事件は一件落着。だがホテが依頼した家族鑑定の結果、ホテと天地人の家族は他人であることが判明、さらにハンドルフード社社長秘書オ･テボクとの出会いが、ホテの父親捜しを迷路へと誘い込む。そんな中、金属タワシ事件への自社の関与を疑う女会長チョン･ヒョンスクが天地人を訪れて謝罪を申し入れるがホテはこれを拒否。カンサンも店を続けることを宣言し、ヒョンスクとの対決は避けられないことに。

第8話　悩めるウジュ
自分がバカでダメな女だと悩むウジュ。好きな男を待ち続け、冷たくあしらわれても文句を言えない内気な女性ヨングムに自分を重ね合わせて怒りを爆発させ、これからは自信を持って生きようと決意する。一方、ウンビが母親に電話しているのを聞いたホテは大声で叱りつけるが、母親恋しさゆえの一人芝居だと知り、改めて親に捨てられた子供の悲しみを思い出す。そんなウンビを慰めようとホテはキムチ温麺を作るが、そこへカンサンのかつての上司が泥酔して現れ…

第9話　オ･テボクの過去
取引銀行から借金の即刻返済を迫られたカンサン。以前働いていたレストランから首席シェフとしての職場復帰を提案されて身の処遇に心を悩ませる。サギ師からの頼みを断りきれず出かけていったウジュは借金の申し込みを断固として拒絶するが、そこに現れた闇金融の社長チョ･デシクから、借金返済のための融資話を持ちかけられる。一方、弟分ドンスの報告でオ･へボクがかつて殺人容疑者だったと知ったホテは、父親がテボクに殺されたのではと疑念を抱く。

第10話　過去をつなぐ糸をたぐって
ホテに対して煮えきらない態度を取るオ･テボクを見て、チョ社長は２人の関係に疑念を抱き、部下を使ってひそかに調査を始める。ウンビの担任ヨンジュが認知症の母親を引き取ることになり、新たに家族が増えた天地人。そこへ新しく赴任した取引銀行の支店長がやってくる。待ち合わせの客が顧客の金を横領した担当行員だと知ったホテは行員の自殺を防ぐために銀行へ向かおうとするが、その矢先にオ･テボクが関連した昔の事件を追う刑事がホテを訪ねてきて…

第11話　たった１人の殴りこみ
カンサンの計らいでクビになった首席シェフはレストランに復帰することになり、カンサンは天地人の経営に専念する決意を固める。一方、銀行の屋上に急行したホテは間一髪のところで自殺を図った行員を助ける。支店長と天地人との関係を聞かされた行員は生きる勇気を取り戻して警察に自首するが、恐喝の事実が発覚するのを恐れたチョ･デシクは行員を呼び出して証言の取り消しを強要。これを聞いたホテは行員を救い出すため、たった１人で敵陣に乗り込む。

第12話　父親の影を追って
ホテを救出したカン･チョルソク刑事はオ･テボク事件の真相を探るためホテに協力を呼びかける。度重なるチョ･デシクの失態に業を煮やしたハンドルフード社のオ社長はデシクと手を切ろうとするが、逆に恨みを買うことに。旧知の塩辛工場がハンドルフード社に買収されたため塩辛の供給を絶たれた天地人。カンサンとホテは社長の説得するために広川へと向かうが、そこで父親が広川に現れたとの情報を得る。必死になって父親を捜すカンサンだが…

あらすじ

第13話～24話（最終話）

第13話　過去を呼び起こす写真
父親の後を追ったものの骨折り損に終わり、むなしく家に戻ったカンサン。だがホテは誕生日パーティーで周りから祝福され、心温まる一夜を過ごす。翌日ホ社長が天地人を訪れ、塩辛の製造を続けることを告げ、塩辛騒動は無事解決する。ところが漢方医ハン･ピョンマンの妻が帰国して突然離婚を宣言、天地人は新たな騒動に巻き込まれる。そんな中、ウンビが倉庫の中で１枚の古びた写真を発見。それはホテが父親と、幼い頃天地人の店先で撮った写真だった。

第14話　苦悩、そして初めてのキス
父親と撮った写真を見て、ホテは忘れていた記憶の一部を取り戻す。オ･テボクを連れ出して問い詰めるホテだがシラを切り通され、逆に後ろから襲われて写真を奪われてしまう。一方、ピョンマンは妻に頭を下げることができず、離婚はいよいよ秒読み段階に。心配したカンサンはピョンマンの妻を招待し、それぞれが心づくしの料理を振る舞うことにする。その夜、自分を心配するカンサンの真心に打たれ、ホテはカンサンと初めてのキスを交わす。

第15話　盗まれたキムチ
ホテは22年前に父親が倒れた遊園地を探し出し、元職員から父親の入院先に関して有力な情報を得る。父親の生存に望みが生まれて元気を取り戻したホテだが、一方でホテが暮らした施設の園長が誘拐され、捜査の目はホテにも向けられることに。そんな中、ハンドルフード社がパプリカのキムチを特許出願し、天地人はまたも騒ぎに巻き込まれる。技術を盗まれたと知ったカンサンは対策に頭を悩ませるが、そこへ日本人女性の西村ゆきえが現れて…

第16話　二度と帰らぬ父親
一度は離婚を決意したピョンマン。だが周囲の努力が実を結び、夫妻は元のサヤに収まることに。パプリカキムチの件で会長に直談判したカンサンとホテは突然現れたオ社長から頭ごなしにレシピ盗用を否定されるが、会長は夫と息子へジュンに疑惑の目を向ける。カン刑事の口添えで父親の入院記録を手に入れたホテだが、父親の死を知りショックで街をさまよう。そしてつらい事実をカンサンに告げたホテは、自分と父親を不幸に陥れた者たちへの復讐を改めて心に誓う。

第17話　我が名はコ･ハンドル
ギチャンの行方を突き止めた会長だが、一足違いで会えずじまいに。代理人から「彼は会長のことを覚えていない」と聞かされた会長の胸には不吉な予感が去来する。一方、ホテの話を聞いたカンサンは、父親が捜しているのはホテではないかと考える。ホテはカン刑事に父親コ･ソヌの家族関係を調べるよう依頼するが、自分が死んだことになっていると伝えられがく然とする。そして本名がコ･ハンドルだと知ったホテは自分とハンドルフード社との関係にある疑念を抱く。

第18話　死亡届のからくり
コ･ハンドルの名前を父親の日記に見つけたカンサンは、ハンドルの最期をみとったというチョン町長の元へ。ホテもまたカン刑事から話を聞いて町長の元へと向かう。そこで２人はハンドルが生きているかもと知らされ、カンサンは父親の尋ね人がホテだと確信し、ホテは自分を不幸に陥れた者たちへの復讐を改めて誓い、22年前の真実を明らかにすることをカンサンに告げる。その夜、チョン会長を待ち伏せしたホテはコ･ハンドルの名を知っているかと会長に問いかける。

第19話　生きていた死者
ホテから「コ･ハンドルは生きている」と聞かされたチョン会長は自分がだまされていたと知り、ハンドルの死を知らせた元秘書チョン･ソンミンの行方を追う。だが、真相の発覚を恐れたオ社長はオ･テボクを使って妨害をくわだてる。一方、ハンドルフード社乗っ取りをたくらむチョ･デシクはオ社長の愛人アン･ユミに接近し、株主議決権を委託するよう持ちかける。そんな中、会長からの電話で呼び出されたホテは、自分がコ･ハンドルであることを告白する。

第20話　解けはじめた結び目
チョン会長から過去のすべてを聞いたホテは、自分が誘拐された22年前の事件に関してオ社長の関与を疑う。さらにホテはヨンジュから８の字結びの話を聞き、親友ヒョンスが連続誘拐事件の犯人ではないかと疑惑の目を向ける。一方、コ･ハンドルが生きていると知ったオ社長は命令を守らなかったオ･テボクに疑惑の目を向け、ある重大な仕事をチョ･デシクに依頼する。そんなある日、イ･ギチャンが家に帰ってくるというニュースが天地人に伝えられ…

第21話　父親の帰宅
父親帰宅のニュースに喜んだのもつかの間、カンサンの元にはソル老人のすい臓ガン、そして父親のアルツハイマーという悲しい知らせがもたらされる。ヒョンスに会ったホテは誘拐事件への関与を遠まわしに尋ねるが、ヒョンスは意味深な言葉を残して立ち去る。そこへドンスから「オ･テボクが危ない」との電話が。テボクと会うことになったホテは約束の場所に急ぐが、テボクは現場に携帯電話を残したまま、何者かに拉致される。そしてその夜、ギチャンが天地人に現れて…

第22話　回り出した復讐の歯車
ギチャンが記憶を失っていると知ってカンサンとウジュは悲しみに暮れるが、主治医の勧めで父親を支えて生きていくことを決意する。22年前の事件の真相を知ったチョン会長は、すべての原因は自分にあると言って夫との決別を宣言する。カン刑事とホテはオ･テボクの行方を追うが、ヒョンスからオ･テボク誘拐を示唆する奇妙な電話が。監禁場所を知ったホテはカン刑事の尾行を振り切って現場へと向かうが、逆に廃屋となった工場に閉じ込められてしまう。

第23話　殺害予告
ホテはオ･テボクから22年前の事件の真相を知らされて未来への希望を見出すが、４年前の交通事故で恋人を死なせたヘジュンにヒョンスが深い恨みを抱いていた事実を知る。一方カン刑事も一連の誘拐事件がヒョンスの犯行だと気づくが、ヒョンスは母親と和解して天地人に戻ったヘジュンを連れ出して行方をくらませ、ヘジュン殺害をオ社長に予告する。カンサンの機転で救い出されたホテは、恋人と暮らすはずだったマンションにヒョンスが隠れていると確信し…

第24話（最終話）　そして時計は動きはじめる
ヒョンスの行方を突き止めたホテは間一髪のところでヒョンスとヘジュンの命を救う。オ･テボクの出頭により裏金疑惑に問われたオ社長は巧みな弁舌で逮捕の危機を乗り越えるが、かつて自分が利用し切り捨てたチョン･ソンミンに刺され、病院に運ばれる。天地人に平穏が戻ったある春の日、ホテは父親の遺灰をまいた竹林を訪れるが、父親の形見の時計が突然動き出す。それを見たホテは手作りの海鮮包みキムチを持って母親であるチョン会長の元へと急ぎ…